とある科学の備忘録

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CやPythonのプログラミング、Arduino等を使った電子工作をメインに書いています。また、木製CNCやドローンの自作製作記も更新中です。たまに機械学習とかもやってます。

【化学】熱化学NO.2 熱化学方程式の書き方

化学反応式とは、次のようなものを指します。
C + O_2 \rightarrow CO_2

ところで、この化学変化が起こると394kJの熱が発生します。では、その値を式の中に入れ込んで、化学変化によってどれだけ熱が発生/吸収したかを表す式はないのでしょうか?

実は、そのような式を熱化学方程式と言います。


今回は、熱化学方程式について書いてみました。

熱化学方程式とは

熱化学方程式とは、何度も言っていますが、どの物質が反応して、何kJの熱が発生(吸収)されたのかを表す式です。
例えば、炭素の完全燃焼の熱化学方程式は、このようになります。

 \dfrac{1}{2} Na_{(固)} + \dfrac{1}{2} Cl_{2(気)} = NaCl_{(固)} + 394kJ
この式が表していることは、「炭素1molが完全燃焼すると、約349kJの熱が発生する」という意味です。



熱化学方程式の作り方

熱化学方程式の書き方には、一定のルールがあります。ここでは、そのルールを守って熱化学方程式を書く方法を紹介します。

例えば、ナトリウム(Na)と塩素(Cl_2)から塩化ナトリウム(NaCl)を生成するときの熱化学方程式を書いてみます。

STEP1 化学反応式を書く

現状:2Na + Cl_2 \rightarrow 2NaCl

化学反応式を書きます。


STEP2 矢印をイコールに

\rightarrow = に変更します。
現状:2Na + Cl_2 = 2NaCl


STEP3 係数を変更

基準となる物質の係数を1にします。また、それに合わせて他の係数も変更します。なので、係数が分数になることもありますが、問題ありません。
現状:\dfrac{1}{2}Na + \dfrac{1}{2}Cl_2 = NaCl

STEP4 熱量を書く

化学反応で発生(吸収)した熱量を右辺に書きます。単位はkJです。
「右辺に書く」というのが重要で、そのため、発熱反応の場合符号は「+」、吸熱反応の場合符号は「-」になります。

熱量がマイナス、というのは違和感があるかもしれませんが、もともと左辺にあった熱量を移行したと考えてください。
現状: \dfrac{1}{2} Na_{(固)} + \dfrac{1}{2} Cl_{2(気)} = NaCl_{(固)} + 394kJ



STEP5 物質の状態を書く

それぞれの物質の状態を括弧()を付けて記入します。
現状: \dfrac{1}{2} Na_{(固)} + \dfrac{1}{2} Cl_{2(気)} = NaCl_{(固)} + 394kJ

状態が次のような時も同様です。
固体→(固)
液体→(液)
気体→(気)
水溶液(水に溶けている)→aq
溶媒としての多量の水→aq