【木製CNC】機械部分の製作
木製CNC作成シリーズです。今回は、ハードウェアの製作について書いていきます。
機械部分の構造
CNCの機械的な構造はこのようになっています。
CNCは、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に水平移動する3つの可動部と、エンドミルを回転させるためのスピンドル部の4つの部品で構成されています。
3 つの可動部がそれぞれ、x軸方向、y軸方向、z軸方向に一定量移動することで、ワークとエンドミルの位置を制御しながら、DCモーターでエンドミルを回転させ、ワークを切削し、特定の形を作り出すのです。
各可動部にはステッピングモーター(Stepper Motor)がついていて、それがそれぞれの可動部を動かしています。例えば、Z軸のステッピングモーターはZ軸の可動部(上の写真の赤い部分)を上下に動かします。
この写真は、自作したCNCを正面から撮ったものです。
それぞれの可動部は下のような形をしています。
それぞれの可動部は左右2本のアルミ棒によって固定されており、アルミ棒に沿って一方向にのみスライドするようになっています。
ステッピングモーターによって全ねじが回されると、可動部が動きます。このような可動部が、X軸、Y軸、Z軸の3つあるため、3次元で立体図形を作ることができるのです。
1.設計
JWCADという2DのCADソフトウェアで設計を行いました。
(ダウンロード元:Jw_cadのページ)
設計は全くの初心者です...。
このように、まず全体像を設計して、その後、一つ一つの部品の設計に移りました。
ほぼすべての部品をネジで固定する予定なので、ネジ同士が干渉しないようにネジを配置するのが大変でした。
そして、それらの部品の設計図を1/1で印刷して木材に張り付け、その輪郭通りに切るという方法で部品を切り出しました。
2.スピンドル部分の製作
「スピンドル」とは、工具(エンドミル)をつけて材料を削るための回転する軸のことです。「主軸」と書かれていることもあるようです。
スピンドルの製作において求められることは、何よりも精度です。スピンドル部は高速で回転する部分であり、センターをきっちり出して回転軸がゆがまないようにしないといけません。今回は、このようにベアリングを2個使って固定しています。因みにですが、ベアリングは内径8mm、外形22mmのやつを使用しています。
実際にベアリングを挿入したときの写真です。
エンドミルを回すモーターはRS-540を使っています。もともとはラジコン用のモーターのため、長時間使用を目的として作られていないので、これは後から分かったことですが、30分でも動かし続けると、触れないくらい熱くなります。一度モーターを固定している木に焦げ目がついたことがあるレベルです。
適正電圧(?)の7.2Vで駆動させたら、すぐ寿命が尽きそうなので、少し電圧を下げて約5Vで動作させています。
スピンドル部分は完成すると、このような形になりました。
4.X軸、Y軸、Z軸の可動部の製作
ほとんどの部分は木製でできていて、接着剤をほとんど使わずに、ねじで固定しながら組み立てていきます。
穴あけは電気ドリルやボール盤で、木材の切断はのこぎりや糸鋸を使っています。
特に説明することがないので、写真だけ何枚か載せておきます。
Z軸の可動部です。
X軸の可動部の製作中の写真です。
写真中央の正方形の板が左右(X軸方向)に移動します。この上にワークを載せて切削させるつもりです。
可動部のみ仮組してみました。それぞれの軸の可動部がスムーズに動くことを確認します。
調整
このように組み立てが完成したら、それぞれの軸が直交するように調整します。
この調整を行うか行わないかで、切削したものの精度が全く異なってきます。