【シーケンス制御】電磁リレーを使って自己保持回路 ~データを記憶する~
1.自己保持回路とは?
前回、リレーを使ってLEDの点灯・点滅の制御を行いました。
shizenkarasuzon.hatenablog.com
ですが、前回の回路でLEDを点とさせ続けるには、スイッチを押し続けなければなりません。
そこで、一度スイッチが押されれば、その後スイッチから手を離してもLEDが点灯し続ける回路が考え出されました。それが「自己保持回路」です。
2.回路図
どうやってスイッチが押されたことを記憶するのでしょうか?
自己保持回路の最も基本的な回路が下のシーケンス図です。
ちなみに、この回路図は「シーケンス図」という特殊な書き方で書かれています。
「シーケンス図」についてはこちら↓
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では、この回路の動作原理について説明します。
3.動作原理
上の回路の動作原理を説明します。
上の回路図のうち、左側は自己保持(スイッチが押されたことを記憶)する回路で、右側のランプ回路は自己保持されていることを確認する回路です。
この回路は、スイッチを押されるとランプが点灯して、スイッチから手を放してもランプは点灯し続ける、という動作をします。
その動作の上で、肝となる部分は回路図左側の自己保持部分ですので、そちらについて説明をします。
頭の中で、上の回路を実行してみてください。
➀スイッチを押したとき
まず、➀スイッチ「BS」を押してみましょう。すると、電磁リレーに電流が流れ、②電磁リレーがONになります。
そして、その電磁リレーのメイク接点である➀「R-m1」もONになります。
メイク接点とは、電磁リレーの接点の1つで、電磁石がONになるとメイク接点もONになります。
このとき、電磁リレーのもう一つのメイク接点である「R-m2」もONになり、ランプが点灯します。
以上が、あなたがスイッチ「BS」を押した瞬間に起きる出来事です。
②スイッチを離す
次に、スイッチ「BS」から手を放して、OFFにしてみます。
すると、「リレーに電流が流れなくなり電磁石がOFFになるのでは?」と思うかもしれませんが、ここで注目していただきたいのが「R-m1」です。
電磁石への電源の供給路はスイッチ「BS」以外に「R-m1」もあります。そして、現在「R-m1」はONの状態なので、下の図の青矢印の部分を電流が流れ、電磁石はONのままになるのです!
そうすると...あとはもうわかると思います。電磁石がONということは、メイク接点「R-m1」も「R-m2」もONのままということであり、「R-m2」がONということはランプ「L1」は点灯し続けるのです。
このようにして、自己保持回路はスイッチを離しても電流を流し続けるのです。
4.実験!
では、本当に↑の説明通りに動くのでしょうか?
それを、ブレッドボードを使って回路を組み、実験します。
この記事の一番上の画像を見ながら回路を組みました。
そして、完成した回路がこちらです。
尚、上の回路図で「ランプL1」と描かれた部分は、LEDに変更しています。
5.動かしてみる
では、実験スタートです。
まず、電源を入れただけでは何も起こりません。
そこで、スイッチを押してみると....
LEDが点灯しました!
そして、ボタンスイッチから手を離しても....
LEDは点灯したままです!
ということで、実験成功!!
このようにして、自己保持回路を実装することに成功しました。
最後までお読みいただきありがとうございます。