とある科学の備忘録

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CやPythonのプログラミング、Arduino等を使った電子工作をメインに書いています。また、木製CNCやドローンの自作製作記も更新中です。たまに機械学習とかもやってます。

【シーケンス制御】電磁リレーを使ってみる

前回、電磁リレーの動作原理について説明しました。
この記事では、実際に電磁リレーを使って回路を作ってみます。

1.この記事ですること

前回紹介した「電磁リレー」という部品を使って、回路のON/OFFをしてみます。

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電磁リレーの外観


回路がON/OFFされたことを確かめるために、電磁石の各接点にLEDを置きます。

リレーの中の電磁石を制御して、LEDが光ったり消えたりすれば成功です。

2.実験内容

下のような回路を組みます。
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中央部の青い四角が電磁石を表しており、そのほかに電源が2個と、LED2個で構成されています。
左側の「電源1」は電磁石をON/OFFするための電源で、右側の「電源2」は、LEDを点灯させるための電源です。電源2がなくても電磁石は動作します。


スイッチ」をON/OFFすることで、電源1から電磁石に電流が供給されるかどうかを制御することができます。そして、その電磁石のON/OFFに連動して動くのが2つの接点であり、それにつながっているLEDの状態を変化させます。


この回路を実際に組んで、スイッチを入れたり切ったりすると、以下のような動作をすると考えられます。

・スイッチOFF→LED1=OFF、LED2=ON
・スイッチON→LED1=ON、 LED2=OFF

なぜこのように動くのでしょうか。動作原理について紹介します。


3.解説(動作内容)

電磁石は前回の記事で説明した通り、電磁石をON/OFFすることで接点を開閉することができます。そして、スイッチをON/OFFすることで電磁石の電源が切り替わるのです。つまり、スイッチがONの状態とOFFの状態で接点の様子(と、それに伴うLEDの状態)が変化すると考えられます。

(1)スイッチがOFFのとき

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電磁石に電流が流れていないときは、左側の接点はOFFで、右側の接点はONになります。そのため、左側のLEDは消灯し、右側のLEDは点灯するはずです。

(2)スイッチがONのとき

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ところが、スイッチを入れると状況は一変します(なんやねんその言葉遣いは(笑))。


スイッチを入れるとまず、電磁石がONになります。そのため、接点が磁力で引き付けられ、左側の接点がON、右側の接点がOFFになるのです。そのため、左側LEDがON、右側LEDがOFFになるのです。「(1)スイッチがOFFのとき」と真逆の状態です。

スイッチをOFFにすると、ばねの力によって接点が右側に戻ります。そのため最初の(1)の状態に戻るのです。このようにして、スイッチをON/OFFするだけで2つのLEDを制御できるのです。

4.回路を組む

電磁リレーを使って上の動作をブレッドボード上で再現してみます。

このように回路を製作します。
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尚、リレーには3.0V駆動のG5V-2を使用しています。(下の写真)
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リレーのパッケージ上部に印刷されている内部配線図を見ながら回路を組んでいきます。
回路図はこの記事の一番上の図と同じなので省略します。

5.実験

上のような回路を組んだら、実際に実験してみます。

(1)スイッチがOFFのとき

では、電源を入れてみます。ただし、リレーの電磁石にはまだ電流を流していません。
下の写真のようにLED1のみが点灯するはずです。
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(2)スイッチがONのとき

では、次に電磁石をONにしてみます。と言っても、電磁石を電源に接続するだけです。
僕の場合、一番長い緑のコードを電源プラス極に接続しました。
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すると、「カチッ」という音とともに、LED1が消えて、LED2が点灯するはずです。この音は、電磁石の磁力で接点が切り替わった時に出る音です。


このように、電磁石のON/OFFによって、接点の開閉を制御することができます。
電磁リレーが動く様子を実際に検証することができました。