とある科学の備忘録

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CやPythonのプログラミング、Arduino等を使った電子工作をメインに書いています。また、木製CNCやドローンの自作製作記も更新中です。たまに機械学習とかもやってます。

【シーケンス制御】シーケンス制御とは?

シーケンス制御という制御方法があります。
この記事では、シーケンス制御の基礎知識について説明します。

シーケンス制御とは?

シーケンス制御(シーケンスせいぎょ、Sequential Control)とは「あらかじめ定められた順序または手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御」である。

Wikipediaより)
これは、JIS Z 8116によって定義されているものです。

ざっくりいうと、「動作を時系列で計画し、それによって決められたアルゴリズム通りに動作を行う制御方法」ということです。…あまり上の文章と変わっていませんね。

例えば、洗濯機はシーケンス制御によって動作しています。
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洗濯機は、洗濯物を入れスイッチを押すと、

  1. 給水
  2. 洗濯
  3. 排水
  4. 給水
  5. すすぎ
  6. 排水
  7. 脱水

という一連の手順を行います。このように、作業を順序立てて実行することが「シーケンス制御」なのです。


条件制御

さらに、シーケンス制御には「条件制御」という考え方もあります。
例えば洗濯機の場合、洗濯物の量によって給水量や洗剤の量を自動的に設定&変更していますよね。このように、センサーを用いてその後の動作を分岐させたり動作の大きさを変更したりする制御方法を「条件制御」といいます。


このようなシーケンス制御は、論理回路を用いて制御が行われています。

論理回路とは

論理回路とは「論理演算」を行う回路です。「論理演算」とは、コンピュータで使われている二進法の「0」と「1」の計算のことで、それらを組み合わせることで掛け算、割り算、その他多くの計算や処理が行えるようになります。

論理演算の代表的なものに、AND回路、OR回路、NOT回路、NAND回路、NOR回路などがあります。



シーケンス制御の実装

シーケンス制御を実装する方法は、「電磁リレー」を使う方法と、「PLC」を使う方法の2種類があります。これらの違いは、論理回路の構成方法をリレーを用いるか、半導体を用いるかという違いです。電磁リレーを使ったシーケンス制御を特にリレーシーケンスと言います。それぞれのシーケンス制御の実装について紹介します。

リレーシーケンス

多くの電子部品の中で「リレー(電磁リレー)」という部品があります。たいてい、このような外観をしています。
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電磁リレーの動作内容、構造、動作原理etc.についてはこちら
shizenkarasuzon.hatenablog.com


このリレーという部品を使ったシーケンス制御のことを「リレーシーケンス」といいます。電磁リレーは電磁石で接点を開閉するため、➀論理回路を走らせるのに時間がかかる、②複雑な回路を組もうとすると基盤面積が大きくなる(集積度がとても小さい)という欠点があります。

そのため、半導体を使ってシーケンス制御を行う方式が発明されました。それに使用されるICが「PLC」と呼ばれるものです。

PLC

PLCはこのような外観の半導体です。
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PLCは「Programmable Logic Controllerプログラマブル・ロジックコントローラ」の略で、半導体によって論理回路を形成する電子部品です。そして、論理回路はプログラムによってパソコンから買い込むことができるという点で、「Programmable」なのです。

この写真を見てもらうとわかるように、PLCは一種のコンピュータとも言えます*1

PLCの種類として、近年最も使用されているのが「FPGA」と呼ばれるものです。



*1:だいぶ大胆な表現ですが